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a IESE class of 2014, strategy consultant has focused on emerging economy and innovation management writes about learning from MBA, feeling from daily life, with photography. Twitter : @dsaga


by dsaga
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自分のことば

僕は普段口数が少なく、人を見ていたり人の話を聞くのが好きだ。だからなのか、人の言葉だったり表情や動きの不自然さだったり微妙な変化には結構気付くことができていると思う(分野によっては超鈍感だったりしますが(^^;))

その中で最近気付き考えるのは、人が発する言葉が他の受け売りか、その人自身のものかということについて。

往々にして他の受け売りの言葉は、表面上うなずくだけでどこかへ流れていってしまうことが多く、その人自身の言葉はClientであり聞き手の頭であり心でありに深く残る事が多い。

上記について1.環境(相手の心情を踏まえたタイミングや雰囲気)、2. バーバル、3. ノンバーバルに分けて考えてみると、受け売りの言葉は1や3が不自然であり2だけを使っていることが多く、その人自身から発せられている言葉は1、2、3のすべて、もしくは2、3を適切に使っていることが多いように見える。

受け売りの言葉はバーバルだけ、口から発せられる文字の並びだけがしっかりしたものである(しっかりしているからこそその言葉を頭に残し、使っているのだと思うが)。その素晴らしい言葉を言うことを意識してしまっていると、環境の解釈は相手の心情ではなく自分の心情の解釈となり、タイミングも相手が求めるタイミングではなく自分が言えるタイミングをセンスするようになる。そして場全体の雰囲気を読めるほどアンテナをふわっと広くはることができなくなる。

結果表面上素晴らしい言葉は相手のタイミングをはずし、またノンバーバルのコミュニケーションと折り合うことなくさらりと過ぎていってしまう。

一方で自分の言葉、自分がその時々に紡ぎ、相手へ伝える言葉は異なる。なぜその言葉を紡ぐのかの裏には相手の心情やその場の雰囲気が存在し、またその紡ぎだした言葉を相手へ届ける際には、相手への共感やその言葉に込めた想いがノンバーバルのコミュニケーションを自然とつくりだす。

結果、言葉を支える相手の心情の理解はすなわち相手が自分の気持ちを理解されたと感じ、言葉を受けいれる準備ができた状態に重なり、それに対して共感や伝えたい熱意(ノンバーバルへ反映)を備えた言葉は相手の心であり頭でありに深くささる。


普段コンサルタントとして様々な人とコミュニケーションする中で、人から学ぶ際にはその人が発した言葉だけでなくその環境、なぜその言葉を使ったのかという意図、そしてその言葉を発する際のノンバーバルでのメッセージもしっかりと学んでいきたいし、人に何かを伝える際には、常に自分のことば、その人にメッセージを伝えるために紡いだ言葉を使っていたいと思う。

単純に考えれば自分がどんな言葉を発するかではなく相手がどう感じるかの問題であるはずだし、1と3を間違えなければどこの言葉を引っ張ってきてもいいのかもしれない。そして、自分へのこだわりに価値はなく、相手の求めるものへこそ第一義にこだわるべきなのかもしれない。おそらくそうだと思う。

上記を忘れず、少なくとも自覚している上では相手に対して常に自分で紡いだ言葉を伝えていきたいと思う。自分という唯一の存在であるのだから。
by sagad | 2007-04-26 00:27 | Benibana