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a IESE class of 2014, strategy consultant has focused on emerging economy and innovation management writes about learning from MBA, feeling from daily life, with photography. Twitter : @dsaga


by dsaga
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英語での会話に不慣れでも議論の効率はカバーできる

込み入った議論になると何を言っているのか追いきれない時が多々ある。バルセロナにきた当時から考えると伸びている順序はリーディング、次がライティング、次がスピーキング(最初が低いから)、最後にリスニングではないかと思う。

そんな中、Marketing Planning and Implementationというクラスで、ある会社のインドでのマーケティングプランをつくりプレゼンするという課題がでている。今に始まった話ではないが議論の仕方は面白いほどそれぞれ違う。ケースの情報を順番に拾っていく(so whatが見えない)、自分の似た経験を話し続ける(同左。加えてwhyもよくわからない)、与えられた数字を拾って片付けようとする(突っ込みに耐え切らない。定性情報を織り込んでいないので)等。

自分の癖も分かっている。まずこたえるべき問を定める。それにこたえるために必要なフレームワークをつくる。まずこたえを仮置きする。フレームワークの各要素で言うべきメッセージを仮置きする。ケースから必要なファクトを集める。解釈する。メッセージを修正する。という感じ。

まあ噛み合わない。議論がなされているなかでメンバーに納得してもらうだけの説明をすることもできない。そもそも一部何を言い出しているのか理解の及ばないところもで始めている。

そういう時はホワイトボードに自分の頭の中にある構造を全て書き出してしまうのが良い。

今回であれば例えばこのような感じだ。
・まずイシューツリーを書く。それがプレゼンのアジェンダを規定する
・次に議論の前提として業界であり市場の解釈を整理する
・ケースの数字からインドの人口をいくつかの階層のセグメントに切って整理する
・各セグメントの定性情報を付記する
・だからどこをターゲットにするべきなのかハイライトする/どこは狙わないと決める
・各ターゲットを狙うプロダクトのレンジを仮置きする
・売上を伸ばす変数を展開する
・どれにアプローチするのか/しないのかを決める
・アプローチのレバーを書き並べる
・どれを使うか/使わないか決める
・使うものは具体的にどうするのかを決める
・施策として切り出して必要なリソースと予算をおおよそ書く
・施策の評価指標と想定通りに行かないリスクとその対策を洗い出す
etc...
ケースを読みながら議論していたら時間がかかり過ぎる。できれば自分のアプローチで議論したい。ただそれをするのも難しい。そんな時は上記。もくもくとホワイトボードに自分の頭の中を描いていく。”どうしたんだ?”と聞かれたら”頭の整理をしているんだ”と答えてひたすら書く。書いているうちに周りが自然と注目する。もしくは書き終わる頃には周りがそれを待ってくれている。

そこで構造の順を追って話す。構造があればどんな角度から情報が来てもハンドルできる。それはイシューが違うと言っているのか、メッセージが違うと言っているのか、サポートする枠組みが違うと言っているのか、枠組みの中のファクトが違う(無駄か足りないか)と言っているのか。情報を扱うパターンがシンプルにできるし、常にビジュアルにして議論を積み上げていけるからだ。

英語で適時自分の意見を伝えていくことができなくても、こうして構造を共有できれば議論も自然と構造に沿ったものになる。自分が言いたかったのはここなんだ!とか、その構造に沿ってそれぞれが頭の中を整理し始める。

僕の場合はもともと口数も多くないので、チームメンバーにはいつも驚かれる&期待されるようになりつつある。こいつがホワイトボードに何か書きだすといつもすごいものがでてくると(わかる人からしたら何もすごいことはなくむしろ恥ずかしいのだが)。皆喜んで写真を撮る。職業柄か性格からか、自分のつくった構造をもとに議論が盛り上がるのは嬉しいし、aha!と気づきを得て喜んでいる姿を見るのも嬉しい。


英語での会話に不慣れでも議論の効率はあげられる。


自分にリスニング、スピーキングの力をつける必要があることに一切の変わりはない。ただ、それが不十分でもなんとかする方法はある。
by sagad | 2013-02-23 04:27 | MBA