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a IESE class of 2014, strategy consultant has focused on emerging economy and innovation management writes about learning from MBA, feeling from daily life, with photography. Twitter : @dsaga


by dsaga
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素直であることの強さ

最近この4月に入社した若者と接する機会が増えている。自分が未熟である自覚はある。それでも彼/彼女等と話をしていると自分が役に立てるところが見えてくる。結構な量。しかし最終的にどうするのかを決めるのは当事者以外の誰でもないと思っている。

相手の思考であり行為でありを確認する。そこに至った背景・理由を聞く。目的を確認する。当人がとった思考・行動が目的に照らしてベストであったか確認する。どんなオプションがありそうか一緒に考える。自分ならどうするかを話す。その理由も話す。自分がまだ実践しきれていないことでも自分がそうありたいという理想があればそれも共有する。そして最終的にどうするかは自分で決めることだと話す。

そのように会話をしていると自然といい方向へ進む。自分の考えを、筋の良し悪しはさておき、きちんと主張できるようになる。荒削りであってもとんでいても自分なりの考えを説明できるようになる。上記の流れの会話で軌道修正も必要があればスムーズになされる、結局責任を持つのは自分だとわかっているから、自分は今回こうしますという話もでてくる。

今の段階・シチュエーションであれば失敗が許される。

大事なのは自分でこうすると覚悟を決めた通り実行しきり、一切の逃げ場なくその結果の全てを受け止めることだ。それは、例えば、会話の中で、僕が相手の想像の及ばないところにいくら言葉を尽くしても届けることのできない大切な事をたやすく、時に厳しく、届けてくれる。


それ以上の学びの機会があろうか。




そうこうしているうちに大きなマイルストンを迎える若者は僕にメールをくれた。御礼があり、謝罪?があり、僕がその若者との会話で話したことのうち印象に残っている言葉が幾つか書かれていた。自分がコンサルタントをしている限りは、この言葉は忘れませんと。

冒頭に書いた通りで、僕は自分の未熟さを知っているつもりでいる(知りきれるものではないとも思っているが)。会話の中では自分も今はまだできていないのだけどと理想を話すこともある。まだ途上だ。一方で、それなりに経験を積み、自分のスタイルも一端ながら見え始めている部分もあり、気がつけば素直さを失っていた気がしていた。

素直であることと従順であることは異なるものなのに、どこかで混同していたのだと思う。

そんな中にあって、その若者の、素直に議論を交わし、全てを素直に吸収し、それから自分の考えを再度確認し、自分で意思決定を下す。学んだ内容を相手に素直にフィードバックして感謝する。その一連の行動は僕に多くのことを思い出させてくれる、気づかせてくれる。


僕も感謝している。


素直であることは自分の学びの量を増やすだけでなく、きっと、その相手を強くする力もある。チームで価値をだそうと思ったときに、素直であることは自分も、チームも強くする。そんな気がしている。
by sagad | 2011-07-11 02:04 | Business