a IESE class of 2014, strategy consultant has focused on emerging economy and innovation management writes about learning from MBA, feeling from daily life, with photography. Twitter : @dsaga


by dsaga
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あなたの中のリーダーへ

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あなたの中のリーダーへ
西水 美恵子 (著)

2009年の5月21日頃に『国をつくるという仕事』を読み感銘を受けた。それからほぼ丁度3年。西水氏の新刊である当初を手にした。こちらは2008年4月ー2012年3月に『電気新聞』の「時評ウェーブ」にて連載されていたコラムに加筆修正を加えまとめられたものとのこと。

前著にも増して胸であり、時に目頭でありを熱くさせるものだった。これは西水氏が自身の考えであり気持ちでありを行動に移し、結果を出してきた過程そのものが書かれているからだと感じる。この本の中に理論や西水氏が自身の経験を体系立てて何かを語ることはない。ただ、西水氏が何を感じ、何をし、どういった結果がでたのか、そしてそこから何を思うのかという話が連なっている。コラムをまとめているので当然短篇集の形をなしているのだが、1篇1篇が濃密だ。線を引き書き込みながら読んでいたらきりがなくなってしまうと感じつつ、ところどころ線を引くのも忘れて読みふけってしまったところもある。そして、読者に対して何をメッセージしているわけでもないが、読者としては心を奮わさずにはおれなくなる。これは西水氏が語りかけずとも、行動する彼女の背中がそう感じさせるのだと思う。

この本の中で自分がキーワードとして受け取ったのは”本気”という言葉だ。泣くも笑うも悩むも憤るも、この本に記されている西水氏の行動のすべてが”本気”だったと感じさせるからだろう、彼女が口(文字)にする”本気”という言葉が重く伝わってくる。そしてそういう彼女だから、”それはまだ本気ではないのではないか”という問いかけもまた重く伝わってくる。

この場で言葉を尽くしてどうこうという話ではない。自分が成すべきと信じる行動はすべて本気でやらねばと思うし、そういう行動であれば自然と本気になるものであり、そうなれないものは本当に自分がなすべきと信じているのか自分に問わねばならぬと思う。



印象に残った言葉を一部、以下に抜粋する。
P.24
「腹の底から信じた」ら、情熱という名の力が湧く
P.37
組織文化は組織の人間がビジョンと価値観を共有すれば変わるというのが、経営学の常識らしい。が、ただそれだけでは、組織文化などびくともしない。人間、頭でわかっていてもハートにつながらなければ動かないからだ。
P.98
 企業や役所等、諸々の組織がビジョンを掲げ一般公開するようになってきた。良い傾向だが、いくら読んでも肝心のビジョンが見えないことが多い。生意気だが、つい本気かしらと疑ってしまう。
 媒体手段が文字であr、信念を持って書けば、言葉が絵になる。組織を成す人々が一丸となって作成し、深いところで共有して追求するビジョンなら、読む人に感動を与える絵になるはずだ。
 人間、感動なしでは本気で動かない。本気で動かぬ人間の組織に、ビジョンを追求し続ける変革は、在り得ない。
P.109
 世銀の株主は加盟国の国民だから、本気で国民の視点に立つ努力をするのが当たり前。本気なら、生活に影響を与える国家政策のすべてが横につながっているのがすぐ見える。国民の生活が、財務、厚生労働などの省庁別に縦に区切られる好都合など、あるはずがない。

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by sagad | 2012-05-19 17:00 | Book
久しぶりに読書に戻ってきて気づいた。なるほどこれが自分がこの2年間他のことを優先した結果失っていた経験なのだと。
活字に埋もれる純粋な幸せであり、著者と対話しているようなワクワク感であり、新たな気づきが自分の頭であり心を広げてくれる/深めてくれる感覚であり、読書を続ける中で点と点が繋がる瞬間を味わう歓びだったり、それを持って自分の過去を省みる時間であり。その結果自分を高める機会であり。

これからより多くの本を読み進めていけば、あの時にこの言葉に出会っていれば、という瞬間も訪れるのだろうなと思う。この2年の間に読書にこれまでどおりの時間を投じていたケースより高い確率で。

勿論そのかわりに得られたものもあるし、何より自分がそうしたくてしたわけだから後悔はないのだけど。ふと気づいた。

昨日今日読んだ数冊の中で共通して言われているのは”自分の価値観に従え”ということだ。この言葉だけなぞれば当たり前の話だが、実際に自分の価値観は何だ?と問うてみるとそれに答えるのは簡単ではない。

それであっても大切なのは、その時その時で自分がこれが自分の価値観だと思えるものに従い、軌道修正をかけ続けることなのだと思う。行動の結果も含めて、自分へのインプットが変わればアウトプットが変わる、その繰り返しがプロセス(自分の中身)を自分に教えてくれるだろう。

プロセスの中で変わるものもあれば、変わらない部分もあるはずだ。そしてその変わらないものとプロセスを変えた理由が自分の価値観なのだろう。

そう思える時点で、次の自分の行動にワクワクするし、立ち止まってしまうこと・停滞してしまうことが怖くなる。


これからもめいっぱいチャレンジしていかねばなと思う。


今目の前で怖いのは、つい本を読み続け、ブログを書き続けてしまった結果、次の予定に間に合うのかということだ。


急ご。
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by sagad | 2012-05-04 16:18 | Life
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挫折力―一流になれる50の思考・行動術 (PHPビジネス新書)
冨山 和彦 (著)

富山氏の過去の著作はいくつか拝読している。特に会社は頭から腐る―あなたの会社のよりよい未来のために「再生の修羅場からの提言」指一本の執念が勝負を決めるが心に残っている。

当書は上記2冊の内容を踏まえて、リーダーたりうるために必要だと筆者が考える”挫折力”をいかに身に着けていくのかを説いている。冨山氏の著作が鮮やかに心に残るのは、キレイ事を抜きにしたリアリティを感じるコンテンツと、アツい語り口があるからだと理解している。読んでいると本人が力説されている姿が思い浮かぶように感じられる。

僕はこの書籍にて語られているようなエリートではない。人生をかるく振り返るだけでも幾つかの失敗・挫折は容易に思い浮かぶ。迷惑をおかけした周囲の方へは今思い出しても申し訳なく思う。ただ、個人に閉じて考えれば、既に過去のことだり後はどう解釈するか/何を学んで今これからの糧にするかを考え、実際に得るための収穫物の1つだ。過去は変わらないがそれを思い出し解釈する自分は変わり続けているはずだし、自分が変われば過去から学べることも変わるのだし。

勿論挫折を経験した直後は結構なダメージを受けていたのも覚えている。こういうの人間らしくて好きだ。好んで挫折するつもりは微塵もないのだけど。問題はその期間の長さと、次のチャレンジでどれだけこの挫折を生かせるかだろう。

そして上記のように挫折を恐れずに自分の価値観にしたがって行動するということを、どれだけのものを背負ってできるかというのがこれからのチャレンジになるだろう。挫折してもそのダメージを受けるのが自分だけならなんとでもなると思うし。背負うものが重ければ重いほどダメージは大きく、多ければ多いほど傷つけるものも増えるのだから。



心に残ったコメントを幾つか抜粋する。
P.56
だからあなたも、もっと自分の好き嫌いに正直になっていい。そもそも、そのほうが人間として自然である。ほんとうに大事な決断を下さねばならないときは、ほとんどの場合、あれかこれかだ。結果的に失敗しても後悔しないものの決め方は、自分の好きなほうを選ぶことである。何かを捨てれば、その瞬間、捨てられた人々は怒るだろう。しかしそこで優柔不断に問題を先送りしたとき、その先で彼らの人生はより深く傷つき、あなたは一生、心の底から恨まれることになる。
P.63
この際、世界の権威とか、その道の大先生とか、全然気にすることはない。極端な話、必死に自分の頭で考え、自分で仮説を生み出して、挫折を繰り返しながらたどり着いた「自分流」こそが正解なのだ。そしてこの過程において生まれた「勉強不足」の意識こそ、新の学ぶ姿勢である。そこからの学びこそが、新の知識や知恵を私たちに与えてくれる。
P.91
悩むのは「うまくいかないのではないか」と考えてしまうからだ。これは生産的ではない。悩む暇があれば、「やるしかない」の覚悟で行動する。失敗しても、挫折に打ちのめされる暇があったら次の手を打つ。そうすればいずれ、活路を見出すことができるのだ。
P.108
苦しみの底にあって、人はその痛みをわかる人にしか、心を開けないし、勇気づけられないものなのだ。
P.118
どんな格好いいことをいっても、難しい議論を展開しても、現実の人間は、性格と自分自身の根本的な動機づけ要因からは自由になれない。この二つに人間は弱い。私自身も含めて。
P.181
人間の幸福感の多くは、現在の富や地位の絶対値よりも、それが上昇していく相対的な変化にこそあるものなのだ。それを実感を持って知っているリーダーは、厳しい状況でも、いや厳しい状況ほど、仲間や組織を勇気づける力を持っているものである。
P.216
(うまく機能していない組織やチームのほぼ共通の特徴について)チーム全体の利益や目標と、チーム構成員間の人間関係上の都合と、構成員個々人の利益や価値観との間で、共通の領域を見出せなくなっていることだ。組織は人間の集合体。生身の人間はこの三つの共通領域でしか、思い切り頑張ることはできない。
P.246
全体の利益と部分の利益。手段の正当性と目的の正当性。経済的な合理と人間的な情理。これらを正反合するためには、リーダー自身の中に、理想や理念を追いかけ続ける強い志と、それを実現する過程での人間界の悲劇をも飲み込むリアリズムとが、共存しなくてはならない。

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by sagad | 2012-05-04 16:03 | Book
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リーダーシップでいちばん大切なこと
酒井 穣 (著)

まず最初にインパクトを受けたのは酒井氏の考えるリーダーシップだ。僕はこれまでリーダーシップはフォロアーがいて初めて成り立つ現象であり、フォロアーが存在しない時点で何人たりともリーダーたりえない、リーダーシップを起こし得ないと考えていた。酒井氏は、リーダーとなる可能性がある人間の行動と、フォロアーが出現する時間軸のズレの発生を指摘し、行動を起こした際に例えフォロアーがいなくとも、自身の価値観に従った行動であるならそれはリーダーシップであるとしている。

リーダーシップの定義の是非はここでは書かないが、僕は上記を、酒井氏が徹底して"lead yourself"に焦点を当てていると理解した。そしてそれは正しいと思う。リーダーシップの現象を解釈する目的ではなく、リーダーシップで大切なことを伝えるのであれば、そしてその先に個々人がリーダーとして生きることを願うのであれば、リーダーシップの最初にある"lead yourself"について深掘りするというのが適切だと考えるからだ。まず自身をリードし(lead yourself)、その結果人々が惹きつけられ(lead people)、最終的に社会に影響を及ぼす(lead society)という構造で考えれば。確か左記はリーダーシップの旅 見えないものを見る (光文社新書)の中に記されていた。

そして、上記自身の価値観どおりに行動するために必要な知識・行動をアカデミック/自身の経験からの枠組みを持って示している。自身の価値観を理解するためには感情を切り分け、理解すればよいのか。その価値観にそって行動し続けるために、他人でありコミュニティとどのように付き合うべきなのか。そうしてリーダーシップを発揮できなければどのような将来を覚悟する必要があるのか。ではそのリーダーシップを備えるのに必要な知識・行動をどのようにすれば身につけていけるのか。

そして幾つかの部・章の最後には酒井氏が尊敬するリーダーの方々のコメントが掲載されている。

先程エントリーした「思考軸」をつくれ-あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由の出口氏と比較しても、酒井氏の口調は一層穏やかで優しい。酒井氏は本を執筆するときに、「将来、なにかに困ったときの娘」に向けて書くことを心情にしていると言われている。その執筆に対するスタンスが、この穏やかさ、優しさの根にあるのだなと感じる。厳しい内容も書かれているが、全体に優しく、愛情を感じる。



心に残ったコメントを幾つか抜粋する。
P.19
結局のところ、ある人物が偉大なリーダーかどうかは、歴史のチャレンジを受けてみないとわからないということです。つまり、リーダーの価値は、現時点で多くのフォロアーがいるか、いないかということでは決められないはずです。
P.20
リーダーというのは、他人がなんと言おうと「孤独」を受け入れて、常に自分の価値観どおりに行動しようとする人々です。
P.32
私にとって、人間のリーダーシップとは、孤独を受け入れ、他の誰でもない、自分自身の人生を誠実に生きる力のことであり、リーダーとは、その力を持っているか、または持とうとしている人のことです。
p.58
人間の自由を規制する価値観は、多様であるようでいて、実際には大きく4つしか存在していないようです。その4つとは次のものです。
・物事や行為が美しいかどうかを決める「美醜」の価値観
・物事や行為が正しいかどうかを決める「善悪」の価値観
・他のことに自分の利益を優先させる「損得」の価値観
・他のことに自分の気持ちよさを優先させる「快・不快」の価値観
P.152
リーダーシップ論のリーダー、神戸大学の金井壽宏教授は、著書リーダーシップ入門 (日経文庫)の中(51ページ)で、リーダーシップの学び方を次の4つのステップで示しています。
ステップ1. 自分がリーダーシップを直接に経験すること
ステップ2. すごいリーダーだと思える人と一緒に仕事をして、その人の言動を観察すること
ステップ3. それらの経験と観察からの教訓を言語化し、自分なりの持論を構築すること
ステップ4. 学者の理論や優れた実務家の持論は鑑賞するように読むのではなく、自分の持論を創出し肉づけするために活用すること
P.157
本当は、そうなれたかもしれない自分と競争しようとすることが、リーダーシップの学習にとって必要不可欠な要素ではないでしょうか。
P.206
人間を人間たらしめているのは、おそらく「心」です。人間のリーダーシップとは、そうした「心」を持った人間を礼賛するものであり、勇気とはそうしたリーダーシップの、最も崇高な発露なのです。

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by sagad | 2012-05-04 15:15 | Book
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「思考軸」をつくれ-あの人が「瞬時の判断」を誤らない理由
出口治明 (著)

普段、特に仕事において、直感に頼っていると感じる部分が少ないので出だしから新鮮だった。「60歳での企業は、1時間で決めました。」という帯にあるエピソードで幕を開け、直感とは何か?その精度を上げるためにはどうすればよいのか?具体的にはどういうふうに?といった問に前半を割いて出口氏の考えが展開される。後半はリーダーシップ、真っ向勝負、自分たち(ライフネット生命)の今とこれからについて語られている。

一貫して平易で無駄なくシンプルなロジックで語られる出口氏の文章はとても力強く、優しく、そして厳しくもある。これだけ洗練した文章を書けるというだけでどれだけ自身の思考軸が磨かれているかを伺わせるし、引用される事象の幅広さが、どれだけの量と幅を持ったインプットをされてきたのかを思わせる。敬服する。


自身を省みると、自分の事に関しては思い込みと直感で判断してこれまでやってきている。だからか、これが人生の岐路だ、という感覚を持った記憶がない。やりたいことがあればまずやってみる、それでうまくいけばそのままだし、うまくいかなければその時次の手を考えてやってみる。その繰り返しだ。もしかしたら、その手を考えるときにオプションとして出して、リスクとリターンを評価して、とやっていれば岐路が現れるのかもしれない。実際にコンサルティングの中ではそういう経験はいくらでもあるのだし。

これは今の自分が背負っているものの軽さに起因しているのではないかと考える。
であれば、尚の事今のうちにチャレンジを重ね、背負うものが増えても折れること無く力強く行動し続けられる力をつけるべきだと思う。

チャレンジの前のインプットの量とプロセス(思考)の深さ、そしてチャレンジの結果を受け容れるその繰り返しが自分の思考軸をつくる唯一の行動であると思うし。

心に残ったコメントを幾つか抜粋する。
P.2
直感というのは、その計算のプロセスを自分でも意識できないほどのスピードで「脳をフル回転させて得たアウトプット」であり、言語化はできなくても、単に直情的に行動するのとはまったく違う性格のものなのです。そして、この直感は「ストックしてある知識や情報=インプット」の量が多ければ多いほどその精度があがります。
P.45
いちばんまずいのは、課題に対して優柔不断な態度をとることです。宙ぶらりんの時間は何も生み出しません。仮にでも結論を決めてしまえば、それがよかったのか悪かったのかを嫌でも考えるようになるので思考が深まります。また、一つ行動を起こせばそれにたいして反応が起きる、そうしたらまたそこでベストだと思う行動をとる、それを繰り返すことで状況はよい方向に動いていくのです。
P108-111
リーダーに必要な三つの要素
一つめは「やりたいことをもっている」こと
二つめは「旅の仲間を集められる」こと
そしてリーダーに必要な三つめの要素は「旅の目的地までチームをまとめ、引っ張っていく」こと
P.127
会社の生み出す商品・サービスには、そこで働く人の姿が如実に映し出されます。特に生命保険というかたちのないものをつくって販売する私たちにとって、商品とはスタッフの姿勢そのものです。人は楽しんでのびのびと働いているときがいちばんよいものを生み出せるし、効率もあがります。ノルマでしめつけたり馬にニンジンのようなインセンティブでやる気を引き出したりする方法は一時的には効果を発揮しても長続きはしません。
P.132
仕事でいちばん大切なことは、「最後までやり抜く」ことです。「確実に結果を出す」ことだと言い換えてもよいでしょう。そして、「そのためには何をすればいいのか」をとことん考えることがビジネスです。「要領よくやる」ことや「ラクをする」ことを重視し過ぎると、その方法を探すうちに貴重な時間を失ってしまったり、不十分な結果しか出せなかったりするのかもしれません。それでは本末転倒です。
P.166-167
戦闘中に兵士が捕虜になった時の対応にも差がありました。
日本兵にはそもそも「負けること」を想定した訓練がなされていません。だからこそ、とにかく玉砕してしまう。さらに、捕虜になった後も自殺する、もしくは敵に取り入って生き延びようとする、といった極端な行動に出ることが多かった。これに対して連合国の兵士には「負けること」を想定した訓練がなされていました。「まずは捕虜になって生き延び、口うるさく食事を要求し敵の食料を減らすこと」といった「負けた場合の行動」までが明確に指導されていたのです。
P.184
私にとってライフネット生命は「我が子」同様です。
「我が子にどんなふうに育ってほしいか」と聞かれて「五年後に幼稚園で一番になってほしい」と答える親がいるでしょうか?この世に生を受けた以上、まずは健康に、元気に、そして人から愛されて育ってほしい、そして平均寿命前後までは生きてほしい、そう願うのがふつうの親でしょう。その上で、私は「百年もの時間があるのだから、どうせなら世界一を目指すような大きな度量のある子に育ってほしい」と考えます。
P.196
「人は真っ当なことを、真っ当にやるべきです。それができないなら、できる世の中にすればいいんですよ」

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by sagad | 2012-05-04 14:27 | Book
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リーダーは自然体 無理せず、飾らず、ありのまま
増田 弥生 (著), 金井 壽宏 (著)

読むことはできずとも読みたい本は買っていた。リハビリを兼ねて手にした一冊。前ナイキ アジア太平洋地域人事部門長の増田氏が金井氏との対話を通じて自身の経験を語る。それらに金井氏がリーダーシップであり組織開発の観点から解説を加えることでまとめられている。

当事者が語る具体的な経験と、金井氏による理論を交えた整理が内容を非常にわかりやすく、学びやすくしている。

この本から学ぶリーダーとして大切な点は2つある。1つは自然体であること、1つはリーダーシップ・アイデンティティを確立していることだ。

自然体でないリーダーは信頼されない。そして自然体というのは個人的には自分に正直であるということだ。無理をしないとか、ペースを乱さないとか、そういう話ではなくて、無理をする必要があると自分が感じるなら無理をする、自分のペースでなく他のペースで動く必要を感じたらそうする、といったことだ。それらができないリーダーは周囲へ違和感を与える。周囲は本人が思うより敏感に本人の中の本音と建前のGAPを感じる。そして人は、それを、意識的無意識的に関わらず、使い分け本音を明かさない/認めない人間を信頼しない。

では、自分が正直であるべき相手、自分とは何か。それがリーダーシップ・アイデンティティだ。増田氏はこのアイデンティティを以下のように説明する。
P195
リーダーシップ・アイデンティティとは、個人がリーダーシップを発揮する際にベースとなるアイデンティティであり、自分は誰なのか、自分が出すインパクトは何なのかがわかっていて、なおかつそれを言語化でき、出したインパクトについて責任がもてるということです。
自身のこれまでを振り返ると、リーダーであるべきポジションにつかれている方で、自然体でいる方は少なからずいる。ただリーダーシップ・アイデンティティを確立されている方は極めて少ないのではないかと感じる。こと大企業において。往々にしてポストのジョブディスクリプション=自身のリーダーシップ・アイデンティティとしてしまう方が多いのではないか。

上記の是非は、まさに金井氏が言われるように、環境に変化があるのかないのかで別れるところではないかと考える。
P.22
合理的に設計された組織には守るべき仕組みやルールがあります。環境に変化がないのであれば、既存の仕組みやルールにのっとって、決められたことが決められた手順できちんと行われていればいいのです。
 でも仕組みやルールが環境の変化に合わなくなったときは、誰かが変えなくてはなりません。ひと言で言えば、変化がある世界の中で組織に変化を起こすのがリーダーであり、リーダーシップです。
自身、自身の属する企業の環境に変化を感じるのであれば、自分のポジションのジョブディスクリプションに安住することを是とせず、自らのアイデンティティを見直し立ち上がる必要ある。

ポジションはそれに就く人がリーダーであるかどうかを規定しない。彼/彼女のアイデンティティが確立され、それを信頼しフォローする人間が現れて初めて、彼/彼女はリーダーとなる。

自分のリーダーシップ・アイデンティティを確立するということは、誰であっても取り組めることだ。



以下、印象に残った記述を抜粋する。
P.93
リーバイスの本社でファシリテーションをしていて段々わかってきたのは、表向きは熱くて絶え間ないやりとりを繰り広げている欧米人も、心の中では「誰か止めてくれ」と思っているということです。当人同士は本心では建設的な議論をしたいのですが、議論がヒートしてしまった以上、引っ込みがつかなくて、ガンガン喋りまくっている場合が多いのです。
P.97
「自信」は「自分」を「信じる」とか書きます。何か特別なものを手に入れることではなくて、今のままの自分で大丈夫だと信じることが「自信」です。自分はプロであり、英語ができるかどうかにかかわらず、プロらしく働こう! 自分のるか勝ちによってプラスの効果を組織にもたらそう! そう覚悟を決められたとき、私はようやく「自信」を手に入れたのだと思います。と同時に、以前より謙虚に自分の成長を心がけるようにもなりました。
P.117
私は、コーチングやファシリテーションや組織開発やリーダーシップ開発について、頼まれるがまま、あちこちで話しているうちに、自分が、「蛇口」を売って歩いているような気持ちになりました。
 私は自分のスキルをリーバイスで実践してきたのであり、私が知っているのはリーバイスの事例でしかありません。にもかかわらず、それを世間の人たちに話すのは、「蛇口があれば、きれいな水が飲める」とふれ回っているのと同じではないのかと思えてなりませんでした。自分は何をやっているのだろう。そう思っているうちに、今やっている仕事をやめて、一度人生をリセットしたいという気持ちを抑えられなくなりました。
P.129
私はリーバイスにいたときから、日本人の日本人らしさが、欧米人を中心とした組織の中では付加価値になるのではないかと薄々感じていました。日本人らしさとは、奥ゆかしさ、思いやりの深さ、謙虚さ、柔軟性、よくも悪くも空気を読んでしまいがちなこと、そしてしばしば悪いところだと言われる、曖昧さ、物事の白黒をはっきりさせずになんでも受入れてしまうことなども含まれます。そういったものを私達が日本人の付加価値なのだと自覚して発信すれば、世界のバランスはよくなる、もっと言うと、日本人が自分たちの付加価値を発信しないことで、世界は損をしている、そんな考えをもつようになっていました。

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by sagad | 2012-05-03 16:57 | Book