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a IESE class of 2014, strategy consultant has focused on emerging economy and innovation management writes about learning from MBA, feeling from daily life, with photography. Twitter : @dsaga


by dsaga
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「超」文章法

「超」文章法_e0019200_13535253.jpg「超」文章法
野口 悠紀雄 (著)

この本を読めばいきなり人の心を惹きつけてやまない導入部から文章を始められる、なんてことはない。

それでも私はこの本に会うことができてよかったと思う(blogの中での一人称、最初はカタく感じますが”私”にしてみます)。
本を読みながら重要度に応じて色分けした線を引き、線を引いたページの端を折り曲げていくのだが、おそらくこの本はこれまで読んできた本の中で一番端を折り曲げたページの割合が多い。

職業上、使う日本語であり、伝えたいメッセージの徹底的な結晶化であり、それを相手に対して過不足ないロジックで支えることであり、それらからの納得・感動に結びつけるストーリー構成でありは常に念頭において動いている。

が念頭に置くこととできることは違う。

往々にして上記のいずれかを意識すればいずれかが弱まりといったことを繰り返しながら進んでいくことになる(メッセージはぶらさないが事実であり、そこからの示唆が当初のメッセージと違うのであれば当然メッセージもかわる)。

その文章について具体的なtipsも含めて構造的に書かれた一冊。印象的なメッセージをいくつか紹介する(私の解釈含む)(一番最後へ)。

と言ってぱらぱらと端を追った部分を読んでいた。結局今の仕事を考えた時に大切なのは3つだと気付いた。
・意見と事実を区別せよ
・読者がそこまでに読んだことによって理解できるように書く
・不要なものは捨てよ

ファクトとして明確になっている部分とそこから得られた示唆や新たな仮説を切り分けるのは基本中の基本。しかし最近気付いたのだが、人間何かしらの強いプレッシャーがかかるとその厳密性をあいまいにして何かしらメッセージを言い切ろうとするパターンが存在する。また長く同じメンバーで活動する過程で明確に断らなくても自明だろうという感覚に囚われる場合がある。

最初はメッセージと骨組みから作り始めるので問題ないが、そこに対して推敲を重ねることで文章としてよれてしまうことがある。また使う言葉も前後してしまうことがある。結果、そこまで読んだことによって理解できる文章ではなくなってしまうことがある。

不要なものを捨てるのは極めて簡単だ。難しいのは何が不要なのかを見極めることだ。何度も推敲を繰り返し、中身に対する理解と思いが深まるにつれて捨てられなくなることがあるようだ。思いが深まった細部まで伝えたい・理解してもらいたいと思うあまり相手が理解できる/できないという部分への配慮が欠け結果として”で何が言いたいの?”とつっこまれてしまうような文章が出来上がってしまったりすることがある。

文章に限らず、チームで活動している時のメンバーのアウトプットについても同じことが言える。が、ここはプロとして、プロのチームとしてClient Interest Firstを貫いていきたい。

メッセージとは何か?
・読者にどうしても伝えたい内容であり主張や発見である
ひとことで言うことができる
どうしても書きたい、書きたくてたまらないものである
・盗まれた場合、あらゆる手段を講じて自分が発案者だと主張する意志がある
・見たまま/感じたままではなく焦点が絞られ、ピントがあっている
冒険のストーリーと意図
故郷を離れて旅に出る:論述を面白く、ためになるものにするため
仲間が加わる:主張を補強するため
敵が現れる:主張したい概念の性格を明確化するため
敵との間で最終戦争が行われる:主張と反対論のどちらが正しいか示すため
故郷へ帰還する:一般理論を現実に応用するため
パラグラフ
・150字程度
1パラグラフ1メッセージが目安
・パラグラフ内での論理の逆転はできるだけ避ける
文章構成は3部構成
序論:「何が問題か」を述べる。なぜこの問題を取り上げたのか、この問題を取り上げることがなぜ重要なのか、問題の背景は何か。
最初に結論やクライマックスを述べる(ドラマチックに始める)
本論:分析と推論の展開。仮説を提示し、それをデータによって検証する。
結論:結論は明確に述べる。結論の含意、未解決の問題、扱わなかった問題、今後の課題などについて述べる。
最後から読む人もいるため結論(最後)は重要。印象深く終える。

by sagad | 2008-01-01 14:31 | Book