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a IESE class of 2014, strategy consultant has focused on emerging economy and innovation management writes about learning from MBA, feeling from daily life, with photography. Twitter : @dsaga


by dsaga
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東京タワー

東京タワー_e0019200_1455259.jpg東京タワー
昼からオフィスで仕事をしていて、帰りに本屋に立ち寄ったときになんとなく購入。ビジネスに関係ないものを読みたかったので(もう一冊は3日で運がよくなる「そうじ力」・・・どうにもこうにも部屋が片付かないので・・・)そして東京タワーを早速読み終える。


ぼろぼろ泣けた(らしくないですが)。


生い立ちや境遇は著者とは違うのだけど、母親との関係について重なる部分が多かった(こんなに表面だってエネルギッシュではないのだけど)。本の中で”全ての時間が自分の砂時計に従って流れているわけではない”というような言葉がある。それを僕も感じていて、そのGAPに気をもんでいたことがあった。
自分が日々の生活に必死で、自分の中では自分だけが日々精一杯生き、変化をしていると思い込みがちになってしまう。でもそれと同じだけの時間は当たり前ながら(親を含めて)自分以外の誰しもが持っているものでありその中で誰しもが自分なりの変化を遂げている。それを忘れて、自分だけのペース、自分だけの価値観でものを見ていたら、親子であり家庭でありの視点から見ている親とは当然すれ違う部分もでてくる。

本の中でも引用されている母親というものについての表現も、母親から似たようなことを言われたことがあった(この言葉を知っていたのだろうか)。

母親というのは無欲なものです
我が子がどんなに偉くなるよりも
どんなにお金持ちになるよりも
毎日元気でいてくれる事を
心の底から願います
どんなに高価な贈り物より
我が子の優しいひとことで
十分過ぎるほど倖せになれる
母親というものは
実に本当に無欲なものです
だから母親を泣かすのは
この世で一番いけないことなのです
詩引用 / 葉祥明「母親というものは」


僕は母親の心配性なところと思い込みが激しいところから出てくる言葉に対して、いやいやそんなことしないよ、それは○○とか××だから大丈夫なんだよとか言う。正しく理解して欲しいしちゃんと話をする。こちらも正しく理解したいからわからないところ、納得がいかないところはなぜかを聞くし違うと伝える。

そうしているうちに徐々に話はそれて、”物分りの悪い親”と”信頼されていない自分”という関係として印象を持ってしまう。いつの間にか僕の(間違えた)率直さは母親への冷たさとして受け止められ、その冷たさ追い詰められた母親は感情的になってしまう。それがうまく理解できない、なんとなく言いたいことはわかっていてもそれをはっきりさせないことに苛立つ僕はまた(間違えて)率直につっこんでしまう…という悪循環。

そうこうしていても、最後には”まあ更年期だから、話したそばから何話したか忘れちゃうから許してやってね”と冗談めいた会話になる。そして僕も最後には冗談めいた言葉と伝えたい気持ちだけはずれないように話す。

母親はどんな気持ちで冗談めいた話に持っていっていたのだろうか。それまで散々冷たいと感じながら話をしていた子供に対して、どんな気持ちで冗談めいた口調で会話を投げかけてくれていたのだろう。

この本のように自分が小さいころからの母親と父親、そして成長するにつれての両親との関係を辿ってみる。本にならって客観的に眺めてみる。そしてそのまま今のやり取りを眺めてみる。親の立場から自分を眺めてみる。うまく出来ているかはわからないけど。

4歳くらいのときからだと思うのだけど、近所のスーパーへ買い物へ行くときに母親に車道側を歩かせないように頑張っていた自分、小学校低学年のころは病弱で、毎年といって良いほど1度は入院して迷惑をかけていた自分、・・・。
そんな自分を急に熱を出したときにはおんぶをして病院まで運んでくれた母親。勉強しろとはほとんど言わず(ゲームにはまりだしたころは1度くらい言われたきがするけど)、それよりも人としての学びを促してくれた母親。本を買うためにはいくらでもお小遣いをくれた母親、・・・。

そんなバックグラウンドを一切考えず、今この場の、自分の砂時計を持って自分の考えを手放さない子供は、こういうバックグラウンドを母親としてずっと蓄えてきた母親にとってどのように映っているのか。






やるべきこと / やりたいこと / やれることはそれぞれたくさんある。
by sagad | 2007-03-05 02:29 | Book