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a IESE class of 2014, strategy consultant has focused on emerging economy and innovation management writes about learning from MBA, feeling from daily life, with photography. Twitter : @dsaga


by dsaga
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BUSINESS THINKERS

BUSINESS THINKERS_e0019200_02545100.jpg世界を変えたビジネス思想家

1. 行動と心理
2. 組織とグループ
3. プロダクトとマネジメント
4. 思想と戦略

以上の4つのカテゴリにおける歴代の著名な思想家の理論をコンパクトにまとめた一冊。
頭の中に種々の理論のインデックスをつけるのに役立つかな、というのと純粋に世の中にはどんなことを考えてる人がいるのかを知りたい、という興味から手に取った。

第一に感じたのは、自身がこれまで学習してきた内容の偏り。最初に目次を見て自身が知っている思想家をチェックしてみたのだが、ほとんどが思想と戦略のカテゴリの人間。後は書くカテゴリ2-3人にとどまった。勿論、この本のカテゴリが社会、経済、そして企業経営の全てを網羅しているわけはないのだけど、それにしてもそのカテゴリのなかでさえ自身の知識の偏りを知ることができたのは嬉しい気付きであった。

第二に感じたのは、各カテゴリにおける根本的な思想があるということ。内容を見ていると誰しも誰かの影響を受け(批判、啓蒙等)、その中で自身の考え(と事実)を理論としてまとめている。
例えば、行動と心理については、根本的には産業革命時に人を機械的な労働力とみなして扱っていたところから、人を人として扱うところに端を発し、その人というものはどうすることで生産性が上がるのか、というところへ理論が展開されている。人と機械の違いは、”心”と”自律的成長”の2つ。だからその心をどのように扱えばよいのか、自律的成長はどのように促していくことが必要になるのか、等そこから枝分かれして理論が展開されている。(そして、そこから組織という概念が発生し、次にその組織も人間とみなして成長させる必要がある、させることができるというように進む。)
プロダクト(品質)については、品質とは何か?それを高めるためにはどうすれば良いのか?という2つの論点がある。両者は関係しあいながら、俗に言う”上流工程”を含んで扱われるようになっていく。品質とは完成品から除去するものではなく、完成品をつくる工程でつくりこんでいくものである。そもそもその完成品の品質とは対象使用者のニーズ(要求品質)を満たしているか、という観点で測られる、というように。

最後に感じたのは、どの思想家も自分の中に”大いなる仮説”を抱き、人生をその検証に捧げているということ。勿論それだけが人生だった、というわけでもないと思うのだけど。そしてその”大いなる仮説”を抱くには過去に何らかの経験をし、それに対して深い”疑問”や”反感”を抱いているということ。自分の人生を通じて仮説を検証し、進化させ、それをまた検証するというサイクルをまわし続けている。

自分の職業は限られた時間とリソースをつかって、Clientの問題を見つけ、原因を見つけ、解決策を練り上げていく。その中で仮説構築-検証-仮説進化-検証というサイクルを繰り返していく。

勿論自分のために上記をやるわけではない、それでも、自分の中で、そしてClientを含めたTeamの中で、これが本当の問題だ、この問題を解決すれば自分たちは更なる成長を遂げられる、継続的に強くなっていける。そう思える問題を特定し、その解決のためだったら魂をかけてTaskに取り組めるという解決策を立てていきたい。

もしClientが現状に疲れて、”ほどほど”の成長を臨んでいても、彼らがそれを上回る成長を遂げられるCapabilityを持っているなら、もっていなくても持てる可能性を持っているのなら、それを最大限活かせる、Clientの気持ちに情熱を再び灯せるようなコンサルタントでありたい。もしCapabilityを持とうとしていなかったとしても、自分がそれを持たせられる/Clientが持ちたくなるようにさせられる存在でありたい。

そのために自らをプロフェッショナルとして厳しく律し、周りの評価に甘んじることなく高い基準に照らして結果を評価し、成長を続けられる存在でありたい。

それがコンサルタントだ。(って前も書いたっけ…)


ついつい話がそれてしまったが、彼らの一貫した姿勢や人生を通してつくり上げてきたものを(本の表面だけでも)知る中で、自分も人生を通して、つくりあげたいものがあると思ったのだ。
by sagad | 2006-04-19 01:13 | Book