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a IESE class of 2014, strategy consultant has focused on emerging economy and innovation management writes about learning from MBA, feeling from daily life, with photography. Twitter : @dsaga


by dsaga
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仕組み進化論

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小飼弾の 「仕組み」進化論
小飼 弾 (著)

いわずと知れたアルファブロガー、小飼さんの著作。僕が小飼さんの著作に触れるのはこれが初めて。開いてみると文字が少なく、とても読み易い。ところどころにでてくるquoteのデザインが小飼さんのブログを彷彿とさせる。

メッセージはいたってシンプル。人間だからこそできる仕事は減っている。その仕事をいつまでもやっているわけにはいかない。新しい仕事を創っていく必要がある。なので既存の仕事を仕組み化しましょう。新しい仕組みを創りだしていきましょう。そしてそのためのいくつかの助言が書かれている。

助言の最たるものが20%ルールの適用。Googleは時間の20%を本業以外の自由な研究に使うことをルールとして定めているが、そうではない。時間の20%で既存の仕組みでの仕事を終えて、残りの80%を新しい仕組みを創る方へ充てましょうというもの。

そのためにまず既存の仕事を仕組み化。生むべき価値は何なのか、それに結びつかない時間の使いか他をしていないか、もっと効率的に結び付けられるやり方はないのか(他のリソースに任せる、効率的に動かせる仕組みをつくる等)等。

勿論他のリソースに丸投げすればうまくいくというものではない。投げるなら何をどこに投げるか見極めるべきだし、投げる先に最も効率的に動いてもらうための仕組みが必要であればそれをつくるべき。安全性は確保するべきだし、誤っても下手に動いてしまうより誤ったらとまってしまう仕組みにしておいたほうがよかったり。特にこのあたりは感心した。


印象に残っている部分を一部抜粋。
P.36
人に仕組みを回してもらおうとするなら、その判断能力を最大限活かすことが大切です。
P.42
よくできた仕組みとは、自動化でヒューマンエラーを防ぐ仕組みや、リスクをほかに転化せずにそこで止まる仕組みを内包しているものなのです。
P.52(怠慢について)
全体の労力を減らすために手間を惜しまない気質。この気質の持ち主は、役立つプログラムを書いてみんなの苦労を減らしたり、同じ質問に何度も答えなくてもいいように文書を書いたりする。よってプログラマー第一の美徳である。
P.60(短気について)
コンピューターが怠慢なときに感じる怒り。この怒りの持ち主は、今ある問題に対応するプログラムにとどまらず、今後起こり得る問題を想定したプログラムを書く。少なくともそうしようとする。よって、プログラマーの第二の美徳である。
P.66(傲慢について)
神罰が下るほどの過剰な自尊心。または人様に対して恥ずかしくないプログラムを書き、また保守しようとする気質。よってプログラマーの第三の美徳である。
P.112
ゴールが見えていれば、それに向かって自身の行動を調整することができます。ゴールを見せないことは、各人の知能を無駄にすること。意外に、これを理解していない会社は少なくないように思います。
P.181
何が正しいかではなく、生き残ったものが正しいのです。そのためには、自分自身や組織の目的、あるいは自分たちに求められている(と思っている)本質的なコトを疑ってみましょう。それが生き残り戦略につながります。
P.184
ブルー・オーシャンが青いのにはたいてい理由があるもので、それを見抜けるかどうかが生死を分けることになります。その海の青い理由が、誰にも見つかっていなかったからということはまずないと考えた方が良いでしょう。あなたがブルー・オーシャンを初めて見つけたと思ってもすでに10番目で、先に試した9人のうち3人は死んでいる。そんなことも珍しくありません。
P.208
あなたは本当に働いていますか?働いているつもりで、たんに既存の仕組みを回しているだけということはありませんか?クリエイティブな仕事をしているつもりでも、たんに既存のテンプレートを使ってモノを作っているだけではありませんか?

by sagad | 2009-05-08 10:53 | Book